妊娠分娩が可能な年齢の約10%にみられる”子宮内膜症”。
昨今は晩婚化や晩産化、1人の女性が生む子供の数が減るなどでずっと月経がある状態が続き、子宮内膜症にかかる人が以前と比べて増えてきています。
私もそのひとりです。10代後半から約5年間、現在も薬物療法での治療を続けています。
今回は私の実体験も交えつつ、『現代病 子宮内膜症』についてまとめてみました。
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Toggle子宮内膜とは
子宮の内側を覆っている組織で、妊娠や胎児の発育に深く関わります。卵巣で作られる女性ホルモンによって子宮内膜は分厚くなり、排卵後には妊娠に適した形態に変化。”エストロゲン”と”プロゲステロン”という女性ホルモンの分泌が少なくなると、剥がれて出血(=月経)します。
子宮内膜症
子宮内膜の細胞や組織が、本来ある子宮の内腔以外の場所で増えていき、そこで月経時に出血をおこす病気。
①卵巣子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞)
卵巣に子宮内膜症が発生すること。月経時の出血が卵巣の内部に溜まることで、卵巣が腫れて大きくなっていく。溜まった血液が溶けたチョコレートに似ていることから、卵巣チョコレート嚢胞とも呼ばれている。
②子宮腺筋症
子宮の壁(筋層)に子宮内膜症が発生すること。子宮の壁の中で出血がおこるため月経痛がひどく、子宮自体も大きくなる。また、腺筋症は月経時の出血を止める働きがうまく働かないため、出血量が多くなる。(=過多月経)
③異所性子宮内膜症
まれにほかの臓器に子宮内膜症が発生すること。小腸や大腸、直腸に発生した場合は月経の時に下痢や排便痛があったり、膀胱や尿管に発生すると月経時に血尿や排尿痛がでたり、肺や胸膜、気管支に発生すると月経時に血痰や喀血を起こすことがある。
治療法
①薬物療法
| ・経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬 |
| ・合成プロゲステロン製剤(プロゲスチン) |
| ・GnRHアナログ |
| ・子宮黄体ホルモン放出システム ミレーナ52㎎(R) |
| ・漢方薬 |
| ・消炎鎮痛剤 |
②手術療法
保存手術 | 子宮や卵巣を温存する方法で、子宮内膜症巣の焼灼、癒着の剥離、卵巣チョコレート嚢胞の摘出が行われる。 |
| 根治手術 | 子宮内膜症の病巣とともに子宮と両側の卵巣・卵管を摘出する方法。痛みなどの症状がひどく、妊娠希望のない閉経に近い年齢の方に行う。 |
10代が感じる婦人科への抵抗
過去、月経痛がひどい友人に婦人科への受診を勧めたところ、「周囲の目が嫌だ」と断られてしまったことがあります。私の憶測ですが、そういった理由で婦人科に行きたくない子も少なからずいるのではないでしょうか。そこで、「なぜ婦人科に行きにくいのか」「どうしたら行きやすくなるのか」を下記にまとめてみました。
①恥ずかしさ・プライバシーへの不安
| ・性に関する相談を他人にすること自体が恥ずかしいと感じる |
| ・家族や友人に知られたくないという気持ちがある |
| ・内診(体の診察)への抵抗感が強い |
②婦人科のイメージが怖い・大人向けと感じる
| ・婦人科は「妊娠した人や大人の女性が行く場所」という印象がある |
| ・初診の流れや診察の内容が分からず、不安が先行する |
| ・「怒られるかも」「痛いかも」といった恐怖感がある |
③性や生理の悩みを相談しづらい
| ・学校では性教育が十分でないことが多く、正しい知識がない |
| ・「こんなことで病院に行ってもいいの?」という遠慮がある |
| ・自分の悩みが「普通じゃないかも」と感じてしまう |
④親との関係
| ・親に相談しにくい/同意が必要だと思っている |
| ・親に知られたくない理由(性交渉、生理不順、妊娠の不安など) |
⑤費用やアクセスの問題
| ・学生で自分のお金で通院できないことがある |
| ・学校や家庭の予定で行く時間がとれない |
◎どうすれば行きやすくなる?
| ・若年層向けの婦人科(ティーンズ外来)を利用する |
| ・相談だけでもOKな医療機関を探す |
| ・保健室の先生やスクールカウンセラーに相談する |
| ・SNSやYouTubeなどで事前に診察内容を知っておく |
まとめ
ひどくなると不妊の原因になったり、慢性の骨盤の痛みで日常生活も害される子宮内膜症。患ってしまうと閉経まで付き合い続けなくてはなりません。
私は元々月経痛がひどく、あるときから排卵痛が毎月ひどくなっていくことに違和感を感じ、婦人科を受診しました。私の場合は発見が早かったため、薬物療法での治療となりましたが、もし発見が遅れて取り返しのつかない状態になってしまうと、私の年齢(当時10代後半)でも手術療法になる可能性があります。
もし少しでも違和感を感じたら、上記に書いた場所や人を頼ってください。自分の身を守れるのは自分しかいません。
